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読むアドバイス

仕事の悩みに関する読むアドバイス

トピックス
大卒ではアメリカでの就職が不安。MBAがあれば......
質問
来年、アメリカの大学を卒業予定です。経済学を専攻していて、成績は良い方なので、卒業後はアメリカでの就職を考えていたのですが、最近になって、自分の英語力にも、能力にも自信がなくなってしまいました。インターンでアメリカの企業で働く機会があり、アメリカ人の同僚とのミーティングでは話題に付いていけないし、クライアントのところに行っても、僕はただ横で見ているだけです。今は学生なので許されるとしても、こんな調子ではビザをサポートしてもらっての就職はできない可能性もあるし、できたとしてもすぐに解雇されるのではないかと思うのです。本当は、できれば大学院まで進んで、MBAを取って自信を付けたいのですが、両親は「そんな経済力はない」と言うし、卒業後、日本でアルバイトをして学費を貯めてから再留学なんてしたら何年もかかってしまいます。そうなると、いっそのこと、アメリカでの就職を諦めて日本での就職を考えた方がいいのかとも思います。日本とアメリカでの就職、どちらにするのがいいのか分かりません。


回答
大学卒業後の就職をどうするのかはあなたにとって重要で難しい決断ですね。アメリカの大学で学んだことを生かして、アメリカの会社で頑張ってみたいと思うのは当然だと思います。良い成績だということは、あなたはここまでかなり努力されてきたはずです。それだけにインターン先で、自分の力不足を感じたのはかなりショックだったのではないでしょうか。あなたが体験されたようにインターンというのは、実際の現場で社会人として働くにはどのような能力と経験が必要なのかを学ぶ機会です。アメリカ人の学生たちでさえ、インターンで現実の厳しさを知るものです。外国人であれば、なおのことです。しかし卒業前に、自分がまだ学ばなければならないことがあると発見できたことは、あなたにはとても良い経験になったのではないでしょうか。

あなたは英語力に不安を感じ、何も貢献できることがないと感じたため、仕事が見つからないかもしれない、見つかってもすぐに解雇されるかもしれないと心配されています。しかし、あなたは本当にアメリカ人の同僚に比べて能力が劣っているのでしょうか? アメリカ社会のコミュニケーションの仕方に慣れていないため、少し圧倒されてしまった、というのが本当のところではないかと思います。今までアメリカの会社で働いたことがなければアメリカ式のやり方に戸惑うのは当たり前です。日本の文化では人の話を最後まで聞き、協調性を重視して自分の意見を無理に通そうとせず、人を立てるのが良しとされます。しかも自分がインターンだったり、新入社員だったりすると、新米がでしゃばるなんてと思いがちです。しかしアメリカでは意見をどんどん発言し、自己アピールすることが良しとされます。そこで、ミーティングで必ず一度は発言する練習をしてはどうでしょうか。最初は緊張するかもしれませんが、数を重ねるごとに慣れてくるものです。たとえ自分の意見がないとしても、「○○さんの意見に同意します」と言ってみたり、「もう少し詳細を教えてください」と聞いてみたりするのも良い手段です。それに、落ち着いてアメリカ人たちの同僚が言っていることを聞くと、それほど画期的なことを言っているわけではないことに気が付くと思います。だから、発言することがいつもすごい内容である必要はないのです。何らかの意思表示をすることで、あなたの存在をミーティングで確立することが大切です。何も言わないでいると、意見がない人だと思われたり、やる気がないと思われたりするからです。

また、クライアントを訪問するときも、ただ横で見ているという状況を避けるために彼らの言ったことを確認するように「なるほど、~ということですね」などと言うと、あなたがちゃんと相手の言うことを聞いているのだということをアピールできます。それは相手にとってもうれしいことです。また、彼らの発言したことを褒めたり、賛同したりするのも、会話が弾み、いいでしょう。「良いアイデアですね」と言うだけでも、あなたがミーティングに積極的に参加しているということを強調できます。

日本人は周りの状況を把握して、敵を作らず物事をうまく運んでいくことができる人が多いです。この能力をアメリカ式のコミュニケーションスキルと同時に使いこなせたら、あなたは会社にとって頼もしい人材になるのではないでしょうか。卒業後にアメリカで就職先が見つかるかどうかは誰も予知することはできません。しかしあなたが卒業までにできる努力をして、自分の能力を上げ、仕事が見つかるチャンスを増やすことは可能です。その努力こそがあなたの自信につながり、どこで就職することになってもあなたのプラスになると思います。

あなたは、MBAが取れたら自信が付くと思われているようですが、そこを少し考えてみましょう。確かに高学位は自信につながるかもしれません。しかし、たとえMBAを取ったとしても、そのときあなたの周りにはMBAを持ったアメリカ人が大勢いて、彼らと就職先を競い合うことになるのです。そこでも英語力や経験のなさはあなたを不安にさせるのではないでしょうか? あなたは、外国語で大学を卒業できる人で、しかも良い成績を取ってきた優秀な方です。今のあなたに必要なのは、「場数を踏むこと」です。アメリカ人たちと同じ職場で働きミーティングに参加することで、学位だけでは得られない「実践からの自信」が付くのです。もしあなたが本気でアメリカで仕事をしたいと思っているのなら、今目の前にあるチャレンジに向き合い、一歩一歩自分にできる「アメリカ人と共に働く上での努力」をしてください。自分の足りないところを自らの努力で克服していく過程を通して、自信と能力は蓄えられ、自分の夢が実現されていくのです。

(ペースアルク 2013年10月掲載)


アメリカ企業で認めてもらうには
質問
留学後、アメリカの企業で働いて1年が過ぎようとしています。最近、同期で入ったアメリカ人の同僚で、仕事自体はいいかげんなのに、言い訳がうまく口が達者な人が責任のある仕事を任されました。別の同僚は、上司とジョークを言い合うのが上手で、上司に気に入られています。そのせいかは分かりませんが、彼も最近小さな昇格が決まりました。要領のいいアメリカ人の同僚たちは、「比較的簡単で目立つ仕事」と「手間が掛かる地味な仕事」という区別をちゃんとしていて、上手に前者の仕事を取っています。必然的に後者の仕事ばかりが私に回ってきます。私は仕事はきちんとしているし、ミスもないし、納期も守っています。ただ英語でのジョークや世間話はどうしても苦手です。上司にもっと大きな仕事が欲しいと言っても、与えてくれる気はなさそうで、逆に社交的ではない私を避けているようにも見えます。こういう社内の動きを見ていると、すぐにクビということはないと思いますが、このままではどうなるのだろうと不安になります。

回答
70年代、日本に進出した多くのアメリカ企業が経験した間違いがあります。それは、日本の支社を立ち上げる際、言葉や文化がいまいち分からない状態で日本人スタッフをリクルートしたため、「履歴書が立派で英語が堪能」であれば優秀だと思い雇ったところ、実際の仕事になると無能だった、という間違いです。つまり、言葉ができるのは、「仕事ができるように見える」ということです。あなたと、口の達者なアメリカ人やジョークが言えるアメリカ人を比べると、上司からすると彼らの方が仕事ができるように見えるのです。しかし、言葉だけでは仕事は成立しません。
言葉にハンディがあっても、能力があることをどうやって認めてもらうかというと、「始めからアメリカ人と同じ土俵で相撲を取るのではなく、まず自分が勝てる土俵で相撲を取る」ということです。彼らは始めから簡単でおいしい仕事が取れるのでしょうが、あなたにはそんなチャンスはすぐには来ません。アメリカ人が嫌がる、「手間が掛かる地味な仕事」を、どんどんすることです。しかも、嫌々するのではなく、誠心誠意するのです。あなたに顧客がいるのなら、彼らを喜ばせ、感動させるくらいの仕事をしましょう。

これは、手間の掛かる地味な仕事だけが自分の仕事なんだと妥協しろと言っているのではありません。そういう仕事もしつつ、「大きな仕事が来たときのための準備」もしておくのです。それは今後会社がやろうとしていることを理解しておくことや、会社が抱えている問題を解決する方法を考えておく、新しい技術を勉強する、などです。

そんなあなたの仕事ぶりは、必ず上司の知るところとなり、今まで任せてもらえなかった仕事が来る、アメリカ人の同僚が手に負えない仕事が来る、そういうときが必ず来ます。それがチャンスです。そこでいい仕事をすることが第一。第二に、あなたの上司は、そこまできて初めてあなたの言うことに耳を傾ける気になったわけですから、それをフル活用して、上司にあなたの仕事への意見やアイデアを言うようにしましょう。上司が「ふうん、この日本人、結構できるじゃないか」と思ってくれたら、やっとあなたは「アメリカ人と同じ土俵に上がった」ことになるのです。ここからが本当の勝負です。

いい仕事は、次のいい仕事を呼んでくれます。一つずつ、あなたがいい仕事をすることで、上司、または会社は、もっとあなたに大きな仕事を持ってくるだろうし、あなたの自信も高まります。そうすると、新しい機会が巡ってくるのです。
アメリカで成功する人は、「型にはまらない」考え方ができて、「従来とは違う早く効率のいいやり方」を思い付き、それを実行できる人です。学校で学んだことや、就職先の今までのやり方をそのまま続けるのではなく、常に新しい情報にアンテナを張って「こうすればもっといいのでは」と考える習慣を付けましょう。

まとめ:
  1. アメリカでは、自分が「始めから信用される立場にはいないこと」を認識する
  2. 他の人が嫌がることを率先して立派にやる
  3. チャンスが来たときのための準備をしておく
  4. チャンスが来たらそれをつかみ、自己主張をする?
  5. 常に「より良いやり方」を模索し続ける
(スペースアルク 2013年5月掲載)


キャリアで行き詰まりを感じ、人と比べて焦燥感を持ってしまう
質問
アメリカの企業で働く35歳男性です。留学後、今の会社に就職して8年目です。日本人がアメリカ人と同等に働くには、彼らより努力が必要だし、彼らより働かなければ認められません。だから何の疑いもなくこれまで必死になって働いてきました。土日働くこともざらでした。半年ほど前、大きなプロジェクトが終了して、その功績を認められてうれしかったのですが、それからどうもおかしいのです。いまだに元に戻りません。仕事でもぼんやりしている時間が多く、同僚が次のプロジェクトに向けて頑張っているのを見たり、日本の同級生の活躍をフェイスブックで見たりすると、どうしようもない焦燥感に襲われます。仕事は好きだし、男として何かを成し遂げたいという気持ちはずっとあります。でも、会社を辞めてすべてリセットしたい、とも思うのです。しかしそれは、専業主婦の妻と小さな子どもがいるのでできません。血が騒ぐような面白い仕事がくれば、この状態は抜け出せると思いますが、それをする気力がわくかどうかも不安です。どうすればいいのでしょうか?

回答
あなたは努力家で、向上心があり、野心もある優秀な男性です。「血が騒ぐような仕事」がくれば、また元気になるというのは、好奇心があるということでもあります。それはとても素晴らしいことです。今までのあなたの努力や仕事量を考えると、どれだけ頑張ってきたかはよく分かります。しかし、今、理解しなければいけないのは、あなたが心と体を持った人間でもあるということです。

留学時代からの人生を振り返ってみましょう。卒業し、アメリカの企業に就職し、仕事ではアメリカ人に負けないように頑張ってこられました。それは、はっきりとした目標があったからで、その目標に到達するためにはどのくらいの努力が必要かを考え、それに基づいてやってこられたのです。半年前の大きなプロジェクトの成功は、過去の努力の結晶です。マラソンランナーが、ゴールして歓喜し達成感を持つと同時に、疲労困ぱいで倒れてしまうのと同じで、あなたは心身ともに疲れ果てています。レースを走り切って倒れているあなたがやっているのは、別のレースを走っている人を見て、「自分は遅れている。早く走り始めなければ」と焦っているようなものです。それはおかしいですよね。

仕事は辞められないにしても、何らかの休養が必要です。有給休暇があるならこの機会に、観光ではなくボーっとできる休暇を取ったり、ただ寝て過ごすのもいいでしょう。これは体を休めるためです。脳を休めるためには、仕事とは全く関係のない、何か楽しいこと、面白いこと、興味があることをやってみたり、聞いたり、見てみましょう。休むと決めた期間は、できるだけ他人の動向は見ないように。フェイスブックは見ない、メールもできれば見ないようにしましょう。また、普段の生活の中に、できる範囲で何らかの「変化」を入れてみてください。通勤路を変える、車を買い替える、オフィスの家具の配置を変える、などの小さな変化です。これは、気分転換につながります。こうやって、体と脳が休まったら、そこで初めて「自分はこれから何をしたいのか」が見えてくるのであり、それができる気力がわいてくるのです。

また、この機会に、奥さんとよく話し合ってみてください。彼女からのサポートは今のあなたに必要です。頑張る男性は、妻や子どもは自分がサポートするものである、と考え、自分がつらいのにつらいと言わず、一人で抱え込み、結果的にそれが夫婦関係を悪くしてしまうことも多いのです。今の時代、一人だけの収入で生活するのは危険です。彼女にも少し働いてもらって家計を助けてもらってはどうでしょうか。彼女が稼げる額はあなたの収入よりは少ないでしょうが、額は問題ではなく、彼女があなたの苦しみを理解してサポートしてくれているという事実が、あなたの心を和らげてくれるのです。

人生は航海です。あなたの船はこれまで、ちゃんと行きたい港に向かって着実に航海を続けてきました。しかも、ハイスピードで。今は、あなたの船を停泊させなければいけない時期です。停泊しているからといって、怠けているのでも他の船に負けているわけでもありません。停泊して、やらなければいけないことがたくさんあるからです。船のメンテナンスや改装をすることで、血が騒ぐような次の航海が見えてくるのです。だから停泊は大切なステップです。奥さんは副船長なのですから、自分だけであれこれ悩むのではなく、彼女の力を貸してもらって、二人で次の港を見つけ、意気揚々と航海に出ましょう。

(スペースアルク 2012年9月掲載)


ビザで働くことに疲れた
質問
アメリカの企業でH-1ビザで働く33歳の女性です。留学で来て以来、絶対アメリカで働きたくてこれまで頑張ってきましたが、仕事のプレッシャーやビザで働くことに疲れています。アメリカ人と結婚してグリーンカードがある友達は、簡単に転職ができてキャリアを着々と築いているのに、私はビザサポートをしてくれる企業を探すのは大変だし、その上ビザ更新のたびに高い弁護士料を払わなければならず、こんなことに価値があるんだろうかと思うようになりました。日本の友達も、中堅社員として仕事でも一目置かれるようになってきたとか、結婚して出産し幸せな家庭を築いているという人ばかりです。アメリカ人の彼は結婚はまだ考えられないようだし、日本に帰っても働くなら35歳までだし、これからどうしたらいいか、気持が焦るばかりです。

回答
留学して、まず英語を学び、アメリカ人と同じクラスで単位を取って卒業するのは大変です。それからビザサポートをしてくれる就職先を探し、アメリカ企業で働いているということは、いろいろなプレッシャー、ストレス、難関に打ち勝って、今のあなたがいるということです。でも、日本の女性にとって、「年齢」はいつも心にある形のない不安です。日本での就職は年齢制限があるし、結婚・出産を考えると時間制限があるし、周りにも「年齢」に応じたことを着々としている人がいる、日本の親はあなたの歳を心配している……となると、いくら今までがんばってきても、あなたが感じているように「こんなことしてて価値あるの?」という疑問が出てきます。

また、留学後アメリカで働くという目的を達成するには、ビザという足かせがあります。ビザサポートをしてもらっている会社に、あなたはビザの上で借りがあるわけで、いやなことがあっても、他にいい仕事があっても簡単にやめることはできません。妥協してその間働かなければならないのです。結局、留学からグリーンカード取得まで何年もかかり、すでにグリーンカードを持った友達からずいぶん遅れてしまいます。

でも、現状に到達するまでの期間はあなたにとって無意味だったのでしょうか? 自分の夢を実現するためにかかった年数、努力をよく見直してみてください。そして、あなたが40歳、50歳、60歳になったとき、どこに住み、どんな毎日を送り、何が一番自分にとってうれしいか、大切か、具体的に考えてみてください。

日本では女性が大っぴらに祝福されるのは、結婚と出産の時で、それは日本を離れた女性の心にも、本当はそれが一番いいことなのかもという疑問を残します。アメリカの会社でビザを得て働くこと(あなたが夢を実現したこと)は、十分祝福されるべきことなのに、あなたは、どこかで自分を疑っているようです。今まで積み上げてきたものを、遅れていないように見える人たちに追いつくために捨てるのでなく、これは必要不可欠な時間であったこと、これから次の夢に向かうことを自覚して、堂々と前に進んでください。



アメリカ人同僚の「口ばかり」の態度に失望と怒り
質問
アメリカの会社でプログラマーとして働く日本人女性です。仕事自体は楽しいのですが、最近、アメリカ人スタッフの嫌なところが目に付き、やる気がなくなってきました。何か仕事を頼まれると「それは私の仕事範囲ではない」と断ったり、「自分はそのシフトでは働いていなかったから自分のせいではない」と責任逃れをしたり、頻繁に病欠や早退をしたり、同僚とのおしゃべりで一日過ごしたりしているような同僚たちがいるのです。最も腹が立ったのはある同僚です。プロジェクトのほとんどは私が実行したのに、いざ完成になると、上手にプレゼンをして自分が中心となって実行したように見せる上、後で聞くと、そのプロジェクトに携わる際、上司にかけあって普段の仕事を減らしてもらったと言うのです。私はあきれてモノが言えませんでした。私は通常の仕事もちゃんとこなし、その上プロジェクトのために土日出勤をしたのです。同僚のずるさや厚かましさと上司の甘さやいいかげんさに心底がっかりしたと同時に、なんだか自分だけがバカを見たような気にもなりました。留学中は、宿題や課題が多く、さすがアメリカ(の大学)と思っていたのに、職場では口さえうまければうまく世渡りできるというのがアメリカなのでしょうか。


回答
あなたが経験したのは、現代のアメリカの問題だと言えます。昔のアメリカ人は、長時間働き、新しい技術を研究開発し、医療やテクノロジーなどすべて先端のものを作り、世界をリードしてきました。もちろん、今でも一生懸命働く優秀なアメリカ人はたくさんいますが、最近、問題になっているのは、勤労倫理の低下や特権意識(自分はこれをもらえる権利がある、自分はそんな仕事をするために雇われたのではないなどと、自分の権利を主張すること)などが多くの職場で見られるようになったことです。

あなたに失ってもらいたくないのは、もともとあなたが持っている「ドライブ(原動力)」と「勤労倫理」です。学びたいものがあって留学したこと、土日出勤をしてまで通常業務と別のプロジェクトを終えたことなどは、あなたにはドライブがあり、立派な勤労倫理があるという証拠です。最も大切なのは、周りにいる、ネガティブな態度を持った人たちに悪影響を受けないことです。社員としての権利や、自分の職務範囲、給料の額や福利厚生などにあまりにも重点を置いてしまうと、「これをやると得か損か」「いかに短い時間で働いて給料をもらうか」というような考え方になってしまいます。それでは、あなたが「自分だけがバカを見たような気」になったように、どんな仕事もやりがいのないものになり、「仕事をやらされている」という感覚になってしまいます。実際に、そういう価値観に影響され、うつになってしまう人も多いのです。

従って、今の職場では、ネガティブな価値観を持つ人達の言動は無視しましょう。それと、自分の成果はちゃんと主張し、他人に横取りされたり利用されたりしないようにすることです。また、上司ともちゃんと話をしたほうがいいでしょう。アメリカは「有言実行」の国であり、日本のように「自分はこれをやった、あれをやったといちいち言わなくても、上司は自分の仕事をちゃんと見てくれているはず」という場所ではないのです。

周りに「有言不実行」の人がいて、今はそれでうまく世渡りしているとしても、長い目で見れば、本当に実力のある人、仕事が好きで面白くて働いている人が勝つのです。好きで仕事をしている人には「その仕事は自分に任せて」というプライドがあるし、もっと知りたい、もっと上手になりたいという意欲があるので、どんどんいい仕事ができるようになります。そして、一つのいい仕事は、次の仕事、新しい機会を呼んで来てくれるのです。

あなたにとっての「うまい世渡り」とは、ネガティブな価値観を持った人達に影響されないように自分を守ること、そして、「不言実行」から「有言実行」に変えて、自分の実力や成果を正当に評価してもらうようにすることです。あなたの持っているパワーは、外国から来た人が、アメリカで成功しようとする「一世のパワー」でもあります。そのパワーを賢く使い、あなたが欲しい成功の形を手に入れてください。
(スペースアルク 2011年12月掲載)


レイオフされてから自信もなく、人間不信
質問
4年勤めたアメリカの会社からいきなりレイオフされました。経営不振でポジションがなくなるからという理由でした。しかし、同僚から話を聞くと、自分をレイオフした直後に職名こそは違いますがほとんど同じ内容の仕事で別の人を雇ったというのです。上司に呼ばれた時、過去にやった仕事の細かいミスを並べられて、「なぜ今頃?」と不思議に感じましたが、結局、あれは体のいいクビだったのだと思います。実を言うと、この上司はワンマンな人で、今までも何人もクビにしているようです。でも、僕は仕事は一生懸命やっていたし、ほんの1ケ月前の査定では「君は今までの人とは違ってイニシアティブもあるし、よい仕事をしている」とその上司に言われたところです。自分の何が悪かったのかと考えると夜も眠れません。今は失業保険で暮らしていますが、今後の再就職を考えると、自信もなくしてしまったし、人間不信にも陥ってしまいました。今日本に帰っても、景気が悪いのは同じ。どうすればいいのでしょうか。

回答
不景気の中、納得できない理由でレイオフやクビになる人は増えています。アメリカの会社には「人を育てる」という土壌はあまりありません。その証拠に、雇った日からすぐに使える実践力のある人を雇い、経営不振になるとあっさりと人員削減する会社が多いのです。同じ仕事を長く続ける上で生じる「仕事への飽き」や「やる気のなさ」を会社側が察知して人事異動をすることもありません。そういう環境では、社内の内情を知り、力を持ち、発言権や決定権を持つようになった15年以上勤めている人か、数年以内で辞めるか辞めさせられる人の、二極化がよく見られます。前者の長く勤めている人は、変化を嫌い「これまでのやり方、自分のやり方」を続けようとします。後者はそんな職場の閉塞感が嫌になり自分から辞めるか、変化を起こそうとしてチャレンジし、嫌われて辞めさせられるか、になるのです。あなたは後者の中に入っているようです。

まず、あなたがいた職場を分析してみましょう。上司は何年勤めていて、同じ部署の人たちの勤務年数はどうでしょうか。仕事の流れ、決定権、力関係、評価の仕方、他の同僚のあなたの上司評、会社が好む社員の種類、など、客観的に考えてみてください。これをすることでわかるのは、その組織の文化や価値観です。これらは、あなたがどんな人であろうと、変えることはできないもの、魚にたとえると、魚が住んでいる場所の水質です。そこで元気に生活する魚もあれば、その水質では生きられない魚もあります。だからといって、その魚は他の場所でも生きられない、ということはありません。水が合うという言葉があるように、あなたに合う職場環境は必ずあるのです。

大切なのは、あなたが、この時間を有効に利用し、自信を取り戻すことです。会社や上司がどうなったとしても、次に動いていけるスキルや知識を身につけるのに、この時間は最適です。職場の分析をすると、いかに人が実績や結果ではなく、「感情」によって動いているかがわかると思います。あなたの上司が今までに何人もクビにしてきたワンマンであることもそのいい例です。ひとりの人間の感情という、不条理なことで、自分の自信をなくすのはおかしなことです。あなたに必要なのは、自分を信じることと、「太い神経を持つ」ことでしょう。

現在、何百万もの人が失業しています。この厳しい状況で、生き残れるのは、強い神経の持ち主だと言えます。どこに焦点を置くかで気持ちは変わるものであり、どこに焦点を置くかはあなたの選択です。自分のどこが悪かったかを考えるのは5%くらいにして、自分の経験、実績、長所、そういうものに95%の焦点を当てましょう。そうすることで、今回のことはトラウマにならず、あなたの実力や可能性が生かされるのです。


現地採用の辛い立場
質問
留学してこちらの大学を卒業後、日系企業のアメリカ支社で勤務している女性です。両親も有名企業への就職をとても喜んでくれました。しかし、実際にはあまり幸せではないのです。私が日本からの駐在の上司についているため、アメリカ人社員からは煙たがられるし、かといって、肝心なことになると上司から「現地スタッフ」として扱われます。特に、日本から女性の駐在員が来てからは立場の違いがもっとわかるようになり、社内での居場所がないような気がしてきました。アメリカ人の夫はアメリカの企業に転職しろと言うのですが、日本語が使えることが私の強みだと思うし、アメリカ人ばかりの職場環境でやっていける自信がありません。留学中は、卒業したらバリバリ働きたいと思っていたのに、こんな自分が情けないです。

回答
留学で学位取得までは、英語の勉強から始まり、アメリカ人と同じクラスを取り、試験やレポートなど大変だったはずです。その頃は、「これだけ大変なことをやったのだから、この先何だってできる」と思ったのではないでしょうか。そんなあなたが、自信をなくしているのはなぜでしょうか。

文面から、この就職では「親を喜ばすことができた」というのと「日本語を使える」というのが大きかったような気がします。しかし、それには、アメリカ人スタッフにも駐在員スタッフにも属せない辛さと、第二市民のような扱いを受ける辛さ、というデメリットも付いてきたのです。この仕事を続けても、あなたに「居場所」はないとすると、次のステップを考えなければなりません。ちょっとここで統計です。米国労働統計局が2008年に発表した研究結果によると、1957-1964年生まれの人は18から42歳の間に平均10.8個の仕事を持ったそうです。それだけ転職が多くなっているということです。

ここで考えて欲しいのは、あなたの「キャリア地図」です。「親を喜ばせる」「日系企業で働く」この二つは達成できました。次に欲しいのは「職場での居場所」、つまり、やりがいのある仕事や信頼される立場です。それらを得るには、現在ブロックになっている「自信のなさ」を克服しなければなりません。何らかのスキルを身に付けて克服できるならクラスを取る、英語が問題ならビジネス英語の勉強をする、などを考えてみましょう。雇用の安定がない現代は、常に自分が動いていけるスキルや勇気を持つことが大切です。一流企業に就職できたから安心という時代ではないし、職場環境が悪いのに、長く勤めればいいことがある、と我慢し続けるのもギャンブルに過ぎません。

この国は、いつも英語がネイティブではない移民がいる所です。それをもう一度考えてみましょう。就職の段階になり、あなたは「言葉ができて当たり前」という「日本での就職観」に戻ってしまったような気がします。アメリカには英語にアクセントがあろうと文法が間違っていようと、第一線で活躍している人はたくさんいます。バイリンガルであるというのは、どちらの言語もネイティブであることではありません。外国人がアメリカ社会で活躍するためには、「言葉はネイティブのレベルでないけれど、コミュニケーションはできる」という度胸を持つことが必要です。留学時に持っていた、勇気や冒険心があれば、キャリアの道だって開拓できるはずです。「キャリア地図」は少なくとも一年に一度見直し、その都度、自分に大切なことや生活上の変化を考え調整していってください。幸せなキャリアを持つためには、景気、社会現象、社内文化、自分の年齢などに臨機応変に対処し、自分で選び動いていくことが肝心なのです。

(Front Line 2010年7月掲載)


不景気で身動きがとれない
質問
大手企業に勤めて10年になります。ここ5年ほど、仕事へのやる気や意義を感じられず、ただ単調な毎日を過ごしています。今年こそは転職や脱サラをして、人生を変えようと決心したのですが、最近の景気の悪さに「仕事があるだけでもいいか」という状態になって、またも動けないでいます。今、会社を辞めても、これまでの生活水準を保てるほどの条件での転職は無理だし、不景気が続く間は、自分の人生にもいい変化が望めません。こんな状態をどう考えれば脱出できるのでしょうか。

回答
現在のアメリカ人は平均して、一生のうちに8回転職することが知られています。そして、近い将来、就労年数は50年になるとも言われています。ということは、これからの社会人は、就職、転職、解雇やレイオフ、再就職を何度か経験するのは当たり前で、しかも、そういう変化のたびに、収入は上がったり下がったりするわけです。いかに、その変化に適応し、流動性を持ち続けるかが、生活の安定と仕事の充実感を決めるようになるのです。流動性とはどういうものでしょうか。どの分野の仕事も専門職化していく中で、「自分はこれができる」というものがないと、転職は難しくなり、結果的に仕事の安定は得られないのです。そのために、常に勉強し、世の中の変化に敏感になることです。

現在の景気の状態では、確かに望むような転職は少ないかもしれません。また、何か新しいものを得るためには、今持っているものを捨てなければなりませんが、持っているものがそれほど悪くない場合、捨てること自体、変わること自体、本当にいいのかわからなくなるものです。

こんな時期、あなたにできるのは、この先の人生の優先順位を決めることです。ここ5年間も変化を求めているのは、仕事へのやる気や意義を感じたいからであり、それはあなたにとって大切なはずです。景気が悪い今は、「今の生活水準を保つこと」が優先されているようですが、これもよく考えて欲しいと思います。もし、不景気が長く続くなら、あなたの人生の優先順位は逆転してしまい、「生活水準のため」に人生を過ごしていくことになってしまいます。あなたが手に入れたいものをはっきり理解すること、そして、そのゴールに向かって、今から少しずつ着実に努力しましょう。今すぐ会社を辞めなくても、今からできるキャリアアップのための勉強や、脱サラのための準備を始めるのです。チャンスは運ではありません。チャンスをつかめる状態を自分で作った人だけが、チャンスが来たときにそれを手にすることができるのです。「不景気だ」「転職先がない」と、環境の被害者になるのではなく、自分の人生は自分で切り開く強さと決心を持ちましょう。その決心ができさえすれば、自分にできることを始めることができるでしょう。


上司の職権濫用に悩んでいます
質問
J1ビザでアメリカで働いてます。日本で希望した職種とは違う内容ですが、自分
の英語が未熟であると思い、我慢してやってます。小さい会社で社長:アメリカ人と日本人が1人と助手が一人いる会社です。社長はとてもケチで人件費を削りたいらしく、OPTの学生を無料で雇うことを考えているのでなかなか人が入らず、毎日Overtimeです。

会社の日本人もビザサポート(H1)をまたしてもらいたいらしく、overtimeや休
日出勤をせっせとやってます。この頃は私にも休日出勤を強制するようになってきました。
また会社には日本人のお気に入りの学生の女が出入りして学生にも関わらずバイトしてます。違法です! J1ビザの人は会社のいいなりでコキ使われて大事な期間を終わらなければならないのでしょうか?

決意してきたのに、毎日がとても憂鬱です。また、違法で働く人を辞めさせるに
はどうしたらよいのでしょうか?

回答
会社というのは常に変動するもので、過去によかったからといって、それが続くわけではないし、外の環境が変わればその影響を受けて会社も変わらざるを得ません。また、人が会社を動かしている限り、会社は人によっても変化していくものです。

あなたの会社の話を読んでいると、会社としての「日本人顧客」に対する方針と、あなたが考える方針が大きく違ってきているようです。もちろん、日本人のお客様に直接対応しているあなたが思うことに間違いはありません。しかし、会社としての大きな流れが変化しているのは事実です。今、あなたが考えなければならないのは、「いかに自分が正しく、上司や会社が間違っているか」ではなく、「会社はどこへ向かおうとしているのか、そして、それに対して自分はどうすべきか」です。

今の状況は派閥や権力争いの結果で、人事異動があれば良くなるというのであれば、それまで待つこともできます。ただし、それをするなら、それまでは社内の問題を自分に影響させないこと、つまり、「上司の問題は上司の問題、私には関係ない」と割り切り、あなたの健康が害されるまで考えこまないことです。

また、本当に、会社にとって、あなたの考えているようにするのが正しいと思うなら、クビや左遷を覚悟で、直訴もできるでしょう。その場合は、日本人顧客からの苦情を集め、あなたが英語に直し、「こういう利益が会社にあるから、こうしたほうがいい」と事実を元に、上層部何人かにプレゼンテーションすることです。その時、会社への利益を具体的に数字で示すことが大切です。

もうひとつの方法として、「なぜ仕事は辞めたくないのか」を考えてみるというのもあります。これほど、理不尽なことが行われているのに、なぜ仕事は辞めたくないのでしょうか。転職への不安、給料・年齢・将来の心配、逃げずに乗り越えたい気持ちなど、様々な要素があるはずです。いろいろな方向から考え、その中で、あなたにとって一番大切なものは何かを見つけてください。それが、つらくても続けることなら残るべきだし、自分の能力を発揮したいなら転職もありだということです。一番大切なのは、あなたが自分のために賢い選択をすることであり、その選択を実行できるということです。


ストレートな質問が上司との関係を悪化
質問
私の会社では会社の用事をする時に使用する車を所有しています。しかし、上司は私用でもこの車を使い、週末でもこの車を使っているようです。上司を含めて社員5人の小さな会社なので、ストレートに「この車を使用できるのは会社の用事だけではないのか」と聞いてみました。すると上司は私にろくに説明もせず、自分の生活は会社と共にあるというようなことを言ってから、とても冷たくなり、現在とても居心地が悪い状態が続いています。やましいことがないのであれば、上司はそういった態度に出る必要はないと思います。簡単に転職することができない状態ですのでこのまま勤務を続けていくしかないのですが、どうしたらいいでしょうか。

回答
あなたが間違っていると思ったことは確かにそうで、上司のしていることは公私混同の越権行為です。しかし、上司は同意して態度を改めるどころか、あなたに辛く当たるようになり、あなたの憤りはもっと膨らんでしまいました。大きな組織ならば、直属の上司以外にもあなたが話せる人がいてなんらかの対策が採られるでしょうが、全員で5人の会社のためにきっちりとした人事がされていないようです。そういう場所では、上司が持つ力は明らかに大きく、あなたの言っていることがいくら正しくても、上司の意ひとつであなたの方が悪者になったり煙たがられたりしてしまいます。
この上司が社長ではなく、いつかは転勤していく人ならばそれまでの我慢かもしれませんが、そうでないなら、なぜこの環境を続けなければならないのでしょうか。簡単に転職ができないとありますが、それはなぜでしょうか。ビザ、学位、年齢、生活の安定、続けることへの思い入れ、など様々な理由で転職が難しく感じることはあります。しかし、今の状態では、あなたのフラストレーション、イライラ、怒りは、すべてこの上司の言動に向けられていて、あなたのプラスには何も働いていないようです。
まず、上司に向けられているあなたの怒りやフラストレーションの原因を探ることです。なぜそれほど車のことが気になるのかを一歩踏み込んで考えるのです。今の自分をどう思っているか、将来はどうか、私生活は、というふうにいろいろな側面から見ていくのです。それがわかれば、今上司に向けられている怒りのエネルギーを、方向転換して「根本の問題を解決すること」「自分を高めること」「人生を良くすること」に向けることができます。
あなたの人生を良くするのはあなたであり、環境ではありません。続けることが正しい場合もあればそうでない場合もあります。あなたの中の正義感や責任感はすばらしいもので、それが発揮できて報われる場所を探したり作り出すことは、自分への責任ではないでしょうか。


アメリカで五月病
質問
OPT(Optional Practical Training)ビザ*で働いていた有名企業に正式に就職が決まり、3カ月がたちました。アメリカで就職が決まったときは嬉しくてやる気もあったのです が、1カ月もしないうちにテンションが下がってきました。仕事はOPT時代と同じなので、正社員になっただけで、なぜこんな状態になったのか悩んでいま す。日本の友達は五月病ではないかと言います。

回答
日本でいう五月病は、受験戦争を乗り切った大学生や就職戦線を勝ち抜いた新入社員が大きな節目を無事通過し、新しい環境に飛び込むことで、「これまで大変だった」という疲れと「これから新しい生活が始まる」不安や期待などから、落ち込んだり不安を感じるというものです。留学生が大学を卒業し、OPTを経てビザのサポートを受け就職することは、並大抵の努力ではありません。それだけ大変なことをしてきたあなたが五月病を感じるのは当然のことです。

日本から来て、留学、就職とがんばってきた人たちの中には、ある時点で、なぜか最近疲れる、気力がない、やる気が出ないといった症状を訴える人がいます。彼らの話を聞くと、「今までずっと突っ走ってきた。このペースで続けるのは無理な気がする」「アメリカでは息が抜けず、絶えず自分を追いたてるうちに疲れた」といったコメントが聞かれます。

たとえアメリカの大学を出て学位や認定書を取っても、その後、アメリカ人と同じように働けるわけではありません。英語の壁は就職しても存在し続けるし、外国人にはビザの壁、職場によっては差別の壁が立ちはだかることもあるのです。

また、「人と違うことがしたい」「冒険がしたい」「大きなことがしてみたい」と考える留学生も多く、目標に向けて進んでいる間はイキイキとして元気ですが、それを達成して次の山が見えなくなったり、留学当初の目的からずれてしまうと、元気がなくなってしまうのです。

まず、これまでの積年の努力を認めてあげることです。少し休みを取って遊ぶ、好きなことをするなど、自分の成功をエンジョイしましょう。そして、これから先の長期計画を立てることです。

アメリカの会社は終身雇用ではありません。出世したいなら、転職はもちろん、社内異動も自分から動かなければなりません。日本の会社にあるような大々的な人事異動はなく、自ら社内募集を見つけて行動を起こさなければ同じ仕事が続きます。

この先、10年後、20年後にあなたがどういう風になっていたいかを改めて考えてみてください。心配しなくても大丈夫! 次の登るべき山が見えたら元気は戻ってきます。今は休み、楽しみ、周りの景色からどの山に向かいたいかを決めてください。


忙しい毎日に燃え尽き気味
質問
コンピューター関連の仕事をしている男性です。一日10時間、時には16時間という日もある生活をして6年目。前は仕事がおもしろく長時間コンピューターに向かっていても、やる事が多くて一日が短く感じたのに、一年程前から、毎日100以上のメールを処理する時や、社内ミーティングに行くたびに、こんな日々が後何年続くのかと思うと、将来に希望が持てず、会社を辞めることばかり考えています。でも、今の自分に転職するエネルギーは無く、バーンアウト気味です。どうすればこの状況を変えれるでしょうか。

回答
バーンアウト(燃え尽き症候群)は、大きな仕事をやり終えた後や、ストレスの高い状態や働き過ぎが続くと起きる状態で、精神的過労、自分の許容量を超過している感じ、仕事がどうでもよくなる、自分の能力や実績を疑うなどの症状を伴います。

本来なら、大きな山を超えた後には、ホッと一息ついて鋭気を養ってから次の山に上り始めるのが普通です。でも、仕事の世界に、そんな贅沢はありません。次の山に進む気力もなく、目的地もわかっていないのに、とにかく進めと周りの環境に押されているので、会社を辞めることばかり考えてしまうのです。

人間の能力・許容量はコンピューターのメモリーと同じです。あまりにも多くのプログラムを入れて、それらを同時に走らせるとコンピューターはクラッシュしますよね。バーンアウトはそれと似ています。増え続ける仕事量、それに伴って増えるメールやミーティング、人間関係、期限、レイオフのプレッシャー・・・あまりにも重く複雑なプログラムが一杯で、あなたのコンピューターはクラッシュ寸前です。

コンピューターをもう一度ちゃんと走らせるには、不必要なプログラムやファイルを消去してメモリーに余裕を持たせたり、バグを見つけてきれいにしたり、アップグレードしなければなりません。それと同じようにバーンアウトした人は「人生のリセット=人生を見直し軌道修正すること」が必要です。
まず、あなたの生活のどこに問題があるのかを見つけ出すことが先決です。コンピューターという分野自体が嫌になったのでしょうか?それとも、与えられた現在の仕事にマンネリ化を感じているのですか?仕事も分野も好きだけれど、上司や同僚との人間関係に疲れているのでしょうか?それとも、時間的拘束、競争やスピードを争う職場の雰囲気が辛いのかも知れません。

また、 バーンアウトは、私生活のストレスとも密接に関係しています。私生活の満足度、自分の健康状態、ビザの問題、家族との関係、将来日本に住むのかアメリカに残るのかなどなど、いろいろな面から自分に疑問をなげかけてください。そうすることで、どのカテゴリーに問題が存在しているのか発見できます。問題がはっきりすれば、解決法もわかってきます。次に登る山が決まったら、少し休暇を取って一息ついてから一歩を踏み出しましょう。



好きな仕事への転職をすべきか
質問
日本の会社からアメリカへ出向して一年、年末の帰国が決まっています。元々設計がしたくて入社したのですが、違う部署に配属されこちらでもその仕事をしています。先日アメリカ人のボスに「君は本当に今の仕事が好きなのか」と聞かれて驚きました。彼は転職してやりたいことをやっているので、僕を見ているとわかると言うのです。日本では本当に自分の好きなことを仕事にできている人なんてほんの少数だと言いたかったのですが、彼と話しているうちに自分の将来に疑問を持つようになりました。好きでも得意でもない仕事なので、いつボロが出るかと不安を抱きながら働くのは辛いし、設計に移りたくても全く違う部署への異動は稀なのも事実です。現在27歳の僕としては時間的な焦りも感じるし、転職すべきかこのまま続けるかで迷っています。

回答
与えられた役割をまっとうすることをよしとする日本にいれば悩まなかった事かも知れません。「仕事でやりたいことができる」というボスの考え方に触れて、あなたのあきらめていた夢が浮上してきたようです。

さて、今のあなたには、日本の会社にそのまま残る、会社内で設計に移れるように根回しをする、設計ができる会社に転職する、留学して設計の専門知識を勉強する、などのオプションがあると思います。どのオプションにするかを決める前に、それぞれの利点と欠点を挙げていきましょう。現状維持の利点(給料・安定・福利厚生などをキープできる、自分は何もしなくてもいい)欠点(嫌な仕事を続けなければならない)、根回しの利点(会社を変わることなく好きなことができる)欠点(最悪の場合、職場に満足していない人間だと思われて嫌がらせを受ける)、転職の利点(設計ができる)欠点(雇用条件が悪くなる可能性がある、面接やテストなどを受けなければならない、家族が心配する)、留学の利点(設計のプロになれる)欠点(時間とお金がかかる、家族が心配する)などではないでしょうか。

このように考えていくと、あなたが大切に思っていること、恐れていることなどがはっきりしてくると思います。それにオプションも一つではなくこれをやってこれが次というふうに順にやっていくこともできます。次のステップとしては、上記の欠点に関しての対策を考えることです。どのオプションにしろそれに伴うリスクがあり、その対処策がはっきりしていれば、不安や恐怖に左右されることなく行動に移していけるのです。

最後に考えるのが具体的な作戦です。年末までの時間にやること、相談する人、調べること、など逆算して予定を立てて行きます。このような大きな人生の決定をするとき、不安や恐怖(例:設計で失敗したらどうしよう、今の会社よりいい条件では雇ってもらえないのでは・・・)などの負の感情を元にしないように気をつけてください。肝心なのは「自分はこれがやりたい」という正の感情であるべきです。負の部分は先に書いたように対処策を考え、具体的なプランを立てることで乗り越えることができます。


日本人上司と上手くいかない
質問
日系会社で働く女性です。アメリカで初めての仕事で、しかも日本語を使って働けるので、とても張り切って働いてきました。でも日本人の上司とうまくいかず悩んでいます。彼はアメリカ人スタッフには紳士的に接するのに、私には日本語で彼らの文句を言ってくるし、彼らが終えられなかった仕事は残業してやれと言われるし、まるで彼の個人秘書のような扱いなのです。かといって、「君の代わりはいくらでもいる」みたいなことも言われるので、ビザサポートしてもらっている身としては、アメリカ人のように文句を言えず、どうしていいかわかりません。

回答
現地採用で働く日本人女性で、上記のような悩みを抱えているのは、あなただけでありません。雇われる側は、日本語が使える、日本とのつながりがキープできる、ビザサポートしてもらえる、アメリカの会社で仕事をする自信がない、などの理由で日系企業での就職を希望します。一方、雇う側は、日本から派遣された人達がマネージメントするので、アメリカの職場文化やアメリカ人の扱いに慣れていない、日本語ができて日本的な仕事倫理観を持った日本人の方がやり易い、などの理由で日本人を雇います。総合すると、どちらも「仕事」以外のグレーな部分での利害関係があるということになります。そして、これがハラスメントにつながる原因にもなるのです。

アメリカでこれからも生きていこうと考えているなら、常に、「その時に応じた人生の優先順位、その代償と対処策」をしっかり頭に入れておく必要があります。

アメリカで一つ目の仕事は、ビザが必要なので「アメリカで働くチケットを手に入れること」がプライオリティーで、代償は、仕事を選べない、嫌でも辞めれない、職場で文句が言えない、ことなどでしょう。その上、あなたは、ビザまで出して雇ってもらったので長く勤めなければ、と考えていませんか? 対処策はいくつかありますが、まず、ここはアメリカであることを前提に行動することです。日本なら「雇ってもらった義理」があるかもしれませんが、アメリカは「転職でキャリアアップする」ところです。今の会社がいい環境ならともかく、ハラスメントをされているのでは、長く勤めるのはいろいろな意味で危険です。この会社はあとどのくらい勤めて、次はこんな仕事をしよう、そのためにはこういう勉強をしよう、と常に就職活動と自分を向上させることを続けることです。

また、ハラスメントについて、あなたの義務・権利などをインターネットや雇用法の弁護士と相談して調べ、上司とも、アメリカのやり方で接することです。

あなたのキャリアはこれからです。今の辛い状況のために、自信や元気をなくしてしまってはこれまでの努力は無駄になってしまいます。二回、三回と転職して、自分のやりたかったことや、やりがいのある仕事にたどり着くまで、あきらめずに、あなたの将来に希望を持って進んでいってください。


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